「幼稚園に行けない」「学校が怖い」──音楽が子どもの心を解きほぐす理由と不登園・不登校への向き合い方

幼稚園に行き渋りが続いています。無理に行かせるのも心配で、でも家にいてもいいのか不安で…

「行きたくない」が続く子どもと向き合うのは、親にとってもとても疲れることです。まず、あなたが毎日お子さんのそばにいて、悩みながら向き合っていることを、私はとても尊重しています。

この記事では、不登園・不登校の子どもたちと音楽の関わりについて、根拠に基づいた情報をお届けします。「急いで解決しなければ」という焦りではなく、お子さんのペースを大切にするヒントになれば幸いです。

目次

不登校・不登園の現状

文部科学省の調査(令和5年度)によると、小学校・中学校における不登校児童生徒数は約34万6千人に上り、過去最多を更新しています。また、幼稚園・保育園段階でも、「行き渋り」を経験するケースは少なくありません。

不登校・不登園の理由は一律ではなく、「何となく疲れた」「人間関係」「感覚の過敏さ」「集団のしんどさ」「発達の特性」などさまざまです。「原因を突き止めなければ」と焦る必要はありません。

音楽療法と心の回復

音楽療法(Music Therapy)は、音楽を通じて身体的・心理的・社会的な健康の改善を目指す専門的な実践で、世界中の病院・学校・福祉施設で活用されています。

不登校の子どもに対する音楽療法の効果については複数の研究が報告されており、自己表現の改善・不安の軽減・対人関係への安心感の増加などが示されています。音楽は言葉なしで感情を表現できるツールであり、傷ついた心に近づきやすい特性があります。

なぜ音楽が「安心」をつくりやすいのか

  • 「正解・不正解」がないため、失敗を恐れる必要がない
  • 言語化が難しい感情を、音・リズム・動きで表現できる
  • 一定のリズムが神経系を落ち着かせる(特に規則的なリズム)
  • 強要されないため、自分のペースで参加できる

「家にいる今」にできること

不登園・不登校の子どもにとって、今すぐ集団の場に戻ることが目標ではありません。まず必要なのは「安心できる居場所」と「自分を表現できる経験」の積み重ねです。

おうちでできる音楽との関わり方

  • 好きな音楽をかけて「何も求めない時間」をつくる
  • 一緒に歌ったり、手拍子したり──強制せず、楽しい雰囲気で
  • 子どもが好きな音楽を「ちゃんと聴いてあげる」──存在の肯定になる
  • 楽器を自由に鳴らさせる(音を出すこと自体の解放感)

おとうた音楽教室の「安心できる場所」

おとうた音楽教室には、不登園・不登校を経験したお子さんが通われているケースもあります。当教室は「今日はここにいるだけでいい」という姿勢を大切にしており、参加を強要するレッスンはしません。

「まず先生と1対1で試してみる」「Zoomでオンライン参加してみる」「体験だけ来てみる」──どんな形でも大丈夫です。お子さんとご家族のペースに合わせてサポートします。


【この記事を書いた人】
工藤 彩野(くどう あやの)/おとうた音楽教室 代表講師
秋田県立の特別支援学校で12年間・延べ300名以上の子どもたちに音楽を教えたのち、2025年に独立。発達支援の視点を取り入れたリトミックを専門とする。特別支援学校教諭免許・音楽療法アドバイザー・福祉心理カウンセラーを保有。

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