「気になる子への対応で、活動がたびたび止まる」というご相談
保育や幼児教育の現場で、よく聞くお悩みのひとつです。
気になるお子さんへの対応で、そのたびに全体の活動が止まってしまう。
ほかのお子さんのことを考えると、活動が止まってしまうのは、やはり避けたいところです。
「後でフォローすればいい」という考え方もありますが、私はあまりおすすめしていません。
「後で」では、効果が薄れてしまうことがある
時間が経ってからのフォローは、子どもにとってはもう過ぎたことかもしれません。
覚えていないこともありますし、フォローの効果が薄くなってしまうことがあります。
だからといって、その場で毎回活動を止めるのも、ほかのお子さんへの影響を考えると難しいところです。
この板挟みは、多くの先生が感じているのではないかと思います。
先生が1人のとき、まずできる工夫
全体への指示で動けるお子さんは、ある程度1人でできるお子さんです。
そういうお子さんには、1人でできる活動を最初に出しておきます。
その5分ほどの間に、気になるお子さんへの対応にあたる、という方法があります。
最初の数分だけ、時間差をつくるイメージです。
全員を同時に動かそうとせず、時間差で対応する場面をつくる。それだけでも、余裕は変わってきます。
できれば、2人体制で
サポートの先生と2人体制にできれば、その子のサポートをする先生と、全体を見る先生に分かれられます。
クラスだけで見るのではなく、園全体で見ていく視点も大切だと思います。
人手の配置は、担任1人の頑張りだけで解決する問題ではないはずです。
「園全体で見る」という感覚
私は特別支援学校で12年間勤めていました。
小さな学校では「学校全体で見る」意識が強く、高校生の担任をしていた私が小学生の音楽の授業に入ることもありました。
人手が足りないときには、別のクラスの先生からサポートをもらうこともありました。
先生1人だけで見るのは、やっぱり苦しいものです。
クラス単位ではなく、園全体での体制づくりも、大切な視点だと感じています。
担任1人の力量の問題として片付けず、園として仕組みをつくることが、結局は子どもたちのためになると思っています。
まずは、今のクラスでできることから
体制づくりは、すぐには変えられないこともあります。
それでも、「1人でできる活動を先に出す」「時間差をつくる」といった工夫は、明日からでも試せます。
小さな工夫の積み重ねが、先生自身の余裕にもつながっていくと思います。
余裕がないまま対応が続くと、先生自身がすり減ってしまいます。
「今日はうまく回った」という日を少しずつ増やしていくくらいの気持ちで、十分だと思います。
完璧を目指さなくていい
気になるお子さんへの対応は、正解がひとつではありません。
同じ子でも、日によって合う対応が変わることもあります。
うまくいかなかった日があっても、それは先生の力不足ではないと、私は思っています。
「特別なこと」と思わなくていい
気になるお子さんへの対応は、その子だけの特別な対応、と捉えられがちです。
でも、時間差をつくる、環境を整えるといった工夫は、クラス全体の過ごしやすさにもつながります。
結果として、ほかのお子さんにとっても過ごしやすい保育につながることが多いと感じています。
相談できる相手を、園の外にも
園の中だけで抱え込まず、外部の視点を借りるのもひとつの方法です。
行政の支援だけでは回りきらない場面もあると思います。
そうした場合に、外部からの訪問やアドバイスを組み合わせる選択肢もあります。
ひとりで抱えなくていい体制づくりを
クラス運営や、気になるお子さんへの関わり方について、もう少し詳しく相談したい先生方もいらっしゃるかもしれません。
特別支援学校での経験をもとに、園内研修などのご相談もお受けしています。
